言葉を(つづ)り、前衛的な光のモチーフであること



1

無音
  音のない
      いのち
を持たぬ
    ぬるま湯の
よう
  うそ
    そうではな
いが
  がめんのなか
        か
なしくうつ
    うつるだけ

 のこされた
      ただひ
とつこのせかいに
   ことば

2

言語の絶対数/並行世界/ノア製モーターボート/ゆるやかな疾走/失踪/執行
が失効/もし文字が模試を模したなら燃し/影というアンチテーゼ/きらめいて
反射/蔵書が増殖/無数あるいは埃/眠れない夜の思索/あるいは詩作/朝を待
つレスリン/麻を断つレシピ/つまるところ奴隷/問いで詰まる所/矛盾したも
のほど正しいという矛盾/出口はないけど入り口ならある迷路/ガラスをとおし
て変化する世界/車窓の写像/液晶のバックライト/ライト/愛と

これら全てを並列で捉えることの、あるいは、全てを直列で捉えることの意義

または、それら全てが無駄である有り様

3

言葉を綴り前衛的な光のモチーフであること・光を綴りモチーフである前衛的な
言葉・モチーフを言葉で綴り前衛的なある光・光を言葉で綴り前衛的なあること
のモチーフ
無惨にも壊される
作り換え
積み直し
さながらバベルのような
樹木に向かう蝉の幼虫のような
無力さと愚かさの混同
歯向かうな
刃向かうな
宇宙を巡る平行線にかなわぬことの
ピアノコンチェルトであるような
遊戯
ただひたすらに遊戯
そしてまた
作り上げたひたすらの

また今一度
無駄になって終わっていくもの
叶わぬことを知りながら予定調和
敵わぬことに気づくまでの
ひたすらな作業の
完結
重ね合わせた僕がまた新たなものに変わる始まり
無意味であることを知る終わり
射して
射して
光が言葉をモチーフ
前衛的な綴りであることの
僕らの全て・全て
まるで無駄な

完結
射して

4

僕らの全てを奪っていく
ひかり。



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