ない、けど



とりとめもない
言葉はあふれない
死に方を考えない
どう捉えても
それが本当
ひとりぼっちではない
ふたりぼっちでもない
重ならない
それが本当

息切れする
ずっと階段を登っているわけではない
転んではいない
曖昧な競歩
それが本当
つまらない
そんなものだよ

烏龍茶が美味しくない
エアコンが動かない
針金を曲げない
素足では踏めない
明日の保証はない
それを本当にして
つまらなくする
とりとめもない
一括(ひとくく)りにはできない
好きでやってるわけじゃない
たぶん

きみに触れられない
理由はたくさんあるけど
言い訳に過ぎない
悲しいとも思えない
それが本当
面白くない
そんなものか

新しくない
やり方はある
ずっと前からたぶんある
寂しくて自分に触る
脱ぎ捨てて変われる
連綿と過去に繋がる
選択肢はそこにある
とりとめない気持ちを捨てれば
たぶんできる
軽々

捨てられない
抜け殻を置いていけない
きみのつけた傷痕があるから
脱ぎたくない

重ならないけど
ふたりぼっちではないけど
ひとりぼっちでもない
どう捉えても
それが本当

くだらないけど
きみの優しさを覚えてる
ざわめく苛立ちの中で
荷物になるけど
捨てない
軽々とはいかないけど



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