ねえ |
煙草を吸うたびに立ちくらみのする粗末な体に 流星群のような愛が降り注いだとしても ろくに受け止めらんねえやなって思った 結局、手を振って また会えたらいいよねって告げる くわえ煙草で 薬がなきゃ詩作にさえ恐怖を感じる あふれる泉のような優しさに包まれたとしても たぶん戸惑うばかりなんだろうなって思った 結局、ぼんやりと 孤独を懐かしく思うのだろう すっかり恐怖を忘れてしまって あの日 世界は間違いなく目の前にあって 僕と君は疑いなく手を繋いで 互いの存在と 確信を重ね そして その旅路の果てに 世界が決して完全にはならないことを 確かめた どこにも嘘はなかった けれど 真実をいくら重ねたところで 世界は決して調和を望まないことを 知りそめた あの日から ずいぶんと遠いところまで来てしまった 間違い続け 面影もない 世界はあいかわらず目の前にあって 君はどこにいるとも知れない ただ ふたりの真実が 世界を汚した その痕跡だけがはっきりと残ってる 互いが全てを望んだ どちらもそれを叶えられなかった 神様なんていなかった 不調和の連続と その許容だけが未来だった ねえ 聞こえている? ねえ 僕たちはどうして ねえ 完全を望んだ? ねえ お互いに神性さえ見て ねえ 全てを求めたね ねえ ねえ ねえ ああ 流星群なんて降らないでほしい 泉のたおやかさなんていらない とうに終わったはずの旅路の 無理やりに歩む続きの いまだ進みを止めない航路の その果てに浮かぶ今に ふたりがふたりでいたことの証明は あの汚れだけ 粗末な体を煙草で起こして 脆弱な精神を薬で走らせて 降り注ぐ愛には手を振り 包み込む優しさを遠ざけ くわえ煙草で 思っていたい ああ 馬鹿だったよなって なんの仕組みも知らない お互いのことだけしか見てない 愚かな愚かなふたりがいたんだなって 立ちくらみをこらえながら 薄く笑っていたい ねえ 聞こえている? ねえ 僕たちはどうしても ねえ 完全を望んだだろう ねえ お互いに神性さえ見た ねえ 全てを求めた ねえ 神様は信じられなくても ねえ 君のことは信じられた ねえ 世界が僕らを裏切ったのではなく ねえ 僕らが世界を裏切ろうとしたんだ ねえ その罪と罰を ねえ 僕は ねえ 絶対に ねえ ねえ ねえ 手を振って また会えたらいいよねって告げる くわえ煙草で ねえ 神様は信じられなくても 君のことは |