ガール・アンセム



ガール・ガール・ガール!!!

レディなんて失礼な呼び方はしないでほしい。
あたしはガールでいたいのだもの。
ガールズなんてまとめられるのも困る。
あたしはあたしというガールであって、染色体で大別されても、困るのよ。
あたしというガール。
あんただってそうでしょ。

でもそんなことはどうでもいい。
今朝ナプキンに染みてた血の量くらいどうでもいいし、
今日授業中に鳴って取り上げられたサッキーの携帯の行方ぐらいどうでもいい。
だってどうにもならないわ。

それより大事なのは、
いかにしたらあたしが少女でいられるかってこと。
処女だってことを大前提で置いておいても、
それだけじゃ何もかも足りないの。
でも、でもねでもね。
ハルシオンとかちょっとラブリーな薬を持って少女でいる時代なんてとうに終わってしまったの。
そんなのあたしが小学生の時に終わってた。

大事なのは、
いつまでも少女のままでいることなのよ。
ハルシオンは眠り姫のままでいるかわいいメタファーだったわ。
ガールはいつも大人になりたくないの。
だって昨日、ミヤコは死にたいって言ってたもん。
でもミヤコは切っちゃったからそこからガールじゃなくなった。

かわいいミヤコ。死ななくてよかった。
きれいな手首の処女膜はなくなっちゃったけど、
下の方はとっくになかったけど、
でもガールにもどってきてほしい。
あたしひとりじゃさびしいものね。

ガール・ガール・ガール

あたしは地球が滅びるのを待ってる。
滅亡した世界にただひとり残されたあたしというガール。
それはもうガール以外のなにものでもないわ。
ねえでも、王子様はいらないから。

ハルシオンはかわいかった。
あたしはあたしの隕石と氷河期を待ってるの。
ねえだって、
ガールは大人になりたくないわ。



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