Calling You



どこからどうやってやって来たのか
どこへ行くつもりだったのか
もはや皆目(かいもく)見当がつかない
誰かに呼ばれていたはずなのだけれど
そして
今に至っても何も成し遂げられなかったということは
確かなのだけれど

そんなもの全部置き捨てて
新しい世界をそこから描き出せよって
僕の内側から声がする
全くおかしいバイオリズムで
僕はもう先に進む気になっている
失意をどれだけ味わったか知れないのに
どうにも配剤がおかしいよ

東京の夜空をもう見たくなかったって
ただそれだけのことなのに

ここにきてとんでもねえオチのついた
僕の箱庭世界の続きは
まるで別物の新展開で
媒体もまるっと入れ替えて
けれど原稿料は据え置きで頼むよって
てんで悪くない展開になってる
あれだけやって普通は下がるもんだろうに

東京の夜空なんて
もう見たくなかったはずだし
それは今も変わらないけれど

Calling Youの物語の続きは
予期せぬ衝撃の展開にて
新しい世界の胎内(たいない)
待っている

ずっと誰かを求めていた
誰かが恋しかった
誰かがいとおしかった
誰かで切なかった
誰かを呼んでいた
呼びつつづけていた
誰でもいいわけじゃなかった誰かを
ずっとずっと呼んでいた
バカみたいだったし
実際愚かしかった
まずもってほとんどの確率で
誰かなんて来てくれないんだ
呼んだって恥をさらすだけで
傷が少し痛むばかりで
苦しいだけ
けれど呼んでいた
呼び続けていた
それは今も変わらない

何も手にしてねえのに
どうしてか新しい世界を描き出したくなっている
そこでも僕はまた誰かを呼び続け
愚かな案山子(かかし)になるだろう
それでもまったく全然かまわないから
さっさとそこから描き出せよって
僕の内側から響く
これは心臓の呼吸

何から何まで閑文字(かんもじ)だけど
言いたいことはたったふたつ

Calling You

Please Call Me

ここからの折り返しから
ふたつめのキーワードがついてまわる
ねえほら
そうすれば
たとえどれだけ手がすれ違ったとしても
もう繋がっている

愚かなCalling Youの物語は
今に至っても何も成し遂げられることはなかった
それは確かなのだけれど
この先もそれは変わらないかも知れないけど
かまわない

ふたつめのキーワードを先立てて
そのほのかな灯りで
新しい世界を歩くよ
きみを呼べる世界を作るよ



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