Where We Belong -Love Song For Your Raindrops-



中学生の頃に書いた小説のようなちぐはぐさで
僕らの恋は進んできた
高校生の頃に書いた小説のようなハッピーエンドが
この先に転がっていればいいと願って
僕らのふたりの居場所が
未来のどこかにあると信じて
がんじがらめの現実を
打ち破れることを祈って
孤独な漂流の先に
流れ着く島が同じであることを夢見て
Where We Belong
その島の名前を教えてよ
羅針盤なんて
とうに壊れてしまったけれど

無味乾燥な愛の(ささや)きを
静かな夕暮れのオレンジに捧げる
熱情に溺れるきみが
暴風雨に晒されていると知りながら

(したた)かなきみは暴乱の渦を乗り越え
魂の輝きを主張するだろう
風すらそよがない夏の湿度に
僕が息苦しさを覚える頃に

Where We Belong
どこだってかまわない
同じ空を見られるのならば
Where We Belong
がんじがらめの現実が
とうに壊れた羅針盤の向きを変える

日が暮れていくのを見たいと思ってしまったのは
僕らが世界に負けたことを思い知りたいからだ
僕がたやすくねぐらから這い出て来られたのは
この街のどこにもきみはいないと知っているからだ

つけっぱなしにしたラジオが
ふたつ並んだカップに語りかけているだろう
アンバランスに並ぶ
飲み干されたカフェオレと
飲まれずに冷え切ったカフェオレ
79.5が零していく
ラジオの囁きが
ちぐはぐなエコーとなって
誰もいないキッチンに響いているだろう
Where We Belong
それは僕らの居場所じゃないね

どれだけきみを呼んでも
どれだけきみを欲しても
どれだけきみを汚しても
どれだけきみを愛しても

こんな澄んだオレンジの中では
冗談にもなりゃしないよ

79.5が零していく
ラジオの囁きが
ちぐはぐなエコーとなって
僕らの居場所を夢想しているさ

石段を登った先で
街がオレンジに溶かされ
(よい)に染まっていくのを見届ける
壊れた羅針盤に導かれるままに
ひとりでここまで来たのは
僕らが世界に負けたことを思い知りたいから

雨さえ降らない
きみの涙さえ



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