赤い妖精



赤い妖精が見えるから
こんなんじゃだめだと思い直して
みても
結局どっちこっちで
はぐれる

赤い妖精が言うことには
ちゃんちゃらおかしい湯を沸かす
そんなんでいいのかって奮起して
みても
結局あっちそっちで
忘れる

なんもかんも忘れて
みても
苛立たしさが消せなくて
赤い妖精が顔を出す

触れてみようとします
試み
()せない
蔑まれる(ねずみ)
ちゃんちゃら湯を沸かす
赤い妖精が言うことには

僕らの悩みは帰結する
深夜3時のモノローグ
ビート
そりゃないだろうってほどの
ロックンロールで
押し流されるモノローグ
タフでクレバーなサイケデリックが求められてる
応えようとして
みても
気のせい

赤い妖精が飲むペプシコーラが
沸騰する

なんでしょうかこの虚ろ

どっちそっちこっちあっちで
踊り狂えって
何の変哲もなく煽れば
少しは詩人になれる
そりゃもう嬉しいけど
結局のところ
赤い妖精が
60℃で沸騰してやがるんだ

なんなんでしょうかこの虚ろ

赤い妖精が踊り狂ってるのを
後目(しりめ)
おかしいな

結局なんもかんも
道はあっち価値はどっち些事(さじ)はそっち誇示はこっちって
おぞましさだけがある
赤い妖精はそれを感じていないみたいだけど
ちゃんちゃら沸かすので
どうせそんな
気のせい
だろうって
忘れる
はぐれる

設備投資にちょっとばかり金をかけすぎたのは気のせいじゃない
夜の声がまったくもって聞こえないことは俄然(がぜん)漫然無視できない
どっちにしろこっちにしろ選択肢なんか限られていることの杞憂

叫べばいいだけのことを
赤い妖精に託してぶん投げてみて
そんな傲慢どっちにもこっちにも明日にも昨日にも繋がらねえよ
三千世界が輝くのはお前が下りもしない妄想だけ忘れねえからだ

赤い妖精が飲むペプシコーラ
買わなきゃいいだけのことを
ケースで運んでもらって尽きないようにしてる

ちゃん沸かすちゃら
さっきあっち昨日こっち今はどっちそっちどっちにしろ
気のせいに
してみる
虚ろは消せなくても

赤い妖精が
60℃で沸騰しても
忘れる
はぐれる
午前3時の夜気(やき)
紛れる
どっちにしろ



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