爪を磨く時のような速さで |
爪を磨く時のような速さで 爪を磨く時のような速さで 物事を考える ラブホテルに一泊するお金のために どれくらい働けばいいかを考える 眠りは訪れない 蛇のようには脱げない 3弦でハーモニクスをする時のやわらかさ 眠りのふりをして訪れる呼吸のずれ方 マイナーペンタトニックスケールで 音源がいいふりをして スピーカーの膜を揺らすようにして 爪を磨く時のような速さで 胎児のように眠ることを考える 何もかも未分化な僕たちが ごっちゃにしてきたたくさんのことを 解きほぐさなくていいのなら 抱かれて眠る 意識を沈めていきたい きみのなかに 爪を磨く時のような速さで きみの熱が届かないから ラブホテルの代金は要らない きみの声が届かないから 電話料金は要らない 解きほぐさなくてはいけないから きみに抱かれない それでも 水を含ませた綿棒のような重さで それが乾くほどの時間で 胎児のように眠ることを考える 進めなかった僕たちが ごっちゃにしてきたたくさんのことを 何もかも未分化で 全てをあなたに懸けるしかなかったよ 歌が終わる 爪を磨くよりも早く 嘘をついて きみに抱かれたい ラブホテル一泊分の料金とひきかえに 全てをあなたに懸けて 解きほぐさなくてはいけない答えを 間違えて |