In Silver Rain With A Paper Toy



銀色の雨粒が僕を穿(うが)
孤独だけが募る夜に幻を見る
雨に包まれている幻を
何の役にも立たない(ひょう)だよ
眼前
メジャートランキライザーの見本市は雨で仕舞(しま)
手には濡れゆくペーパートイ
完全を求めたがゆえの大失策で
僕は(かつ)えを抑えきれない
目に入れば欲しくなる
きみの強慾(ごうよく)さえ
死にたくないって言えよ
愛されたいって言えよ
そして
その相手はオレじゃないと
何が出来て、何を脱げるかを
さっさと言えよ
もっとくれよ
パキシルなんてレモンキャンディ
ロラメットはただのまじない
そういうんじゃなく
きみの流星を待っている
光を
されど
僕の頬に触れるのは銀の雨ばかり
水銀の重みで肌を焦がし
傷口から入り込んでしまえば排出されることもなく
僕はゆるやかに失速していく
紙の玩具(おもちゃ)が濡れて溶けゆく
セロクエルはシュガーテイスト
ノリトレンには裏切られてばかり
そういうんじゃなく
押し倒すか押し倒されるかして
強く深く押し込んで
全部持ってけっての
てめえに要らなかろうが
全部を与えろよ
きみがきみである証ごと
雨中で抱き合うのも(いと)わないと言って
少女の傷から水銀が入り込んでも
滅び行くことの甘美で
嬌声を聞かせて
もっと淫らに!
もっと下品に!
もっと動物らしく!
僕は全てを受け入れ
そして全てを忘れ
きみの首に手をかけよう
水銀がきみの胎内を汚染する前に
僕ときみの歪んだ情緒が
慈愛の奇形を生む前に
人生に潤色(じゅんしょく)を加え
ラスト・パレード
大観衆の前で
さあ潰せ
人間としての尊厳なんか要らなくて
水銀と混ざった体液を撃ち込めば
大喝采の果てに
人生をかなぐり捨てられる
迷妄
理想論
それは
きみが失わないゆえに
何も指向性を持たず
指向性は頭上に
ああ
そして僕は何にも感謝をせず
自分ひとりの力で生きていると誤解するために
きみの首に手をかけよう
なんてビューティフルライフ!
ノットイナフ!
体内の水銀が傷を作って滲み出る前に
素敵なフィーバーをして
たった3分のライブ
そばにいてよ
終わった後も
これからも
共に来てよ
嫌だってんなら
さっさとコピーロボットを買ってこい
水銀を体内に飼いながら
そばにいてくれよ
首のひとつやふたつ
いくらでも絞めてやるから
あとはもう
やることねえし
ペーパートイでも食ってろ



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