しくらめん



各駅停車で帰りたいのに
急行しかなかった
特急はあった

線路瞬く警鐘
リフレインが輪廻する
宇宙はひもでできている
線路飛び越える警鐘
瞬く間に過ぎる
列車
はなびら触れて舞うしくらめん

あかい かがりびばな
嫉妬
あかい

線路は続いている
目的地まで
けど途中のつまんない所で
つまんない理由で降りちまってさ
もう一度最初から

同じ列車で走れるはずもなく
きまりの悪い思いで鈍行に乗り継いで
どこへ行こう

何もかも不手際の途中下車
なにも手にせず乗り継いで
前の列車の指定席には飲みかけのコーヒーが冷めている

さようならしくらめん
言えればよかった
ようこそ嫉妬
言えたらよかったのに

もう一度来た道を戻ろうとして
各駅停車で帰りたいのに
急行しかなかった
特急はあった

あかい かがりびばな あかい
揺れ動くはなびらの残像
残存する願い
あてもなく
そのへんをさまよっている
どこにも止まらない回送列車みたいだけど
どうせどこかに着くんだろ
知らない駅や
通り過ぎた駅とかに

乗ってるのかな
回送列車に
きみがいるのかな

かがりびばな あかい しくらめん

どうせもう僕は世の中の半分を知っちまって
残り半分のために
知らないふりをしてはじめからなんてできないさ

しくらめん
あかくそまるよ

一緒に歩いていきたい
言えたらよかったのに
最初の駅は遠いよ
しくらめん



BACK                                              TOP